『闇金ウシジマくん』は、闇金業者のハードな日常を描いている。
原作は、
真鍋昌平のコミックス『闇金ウシジマくん』(小学館)。
映像化は無理といわれた漫画だが、主演の山田孝之が、原作のキャラクターそっくりの役づくりをしていて関心させられる。
新入社員に片瀬那奈
10日で5割という法外な金利でカネを貸し付ける、闇金業者「カウカウ・ファイナンス」。
社長の丑嶋(山田孝之)は冷徹な男で、取立てには容赦ないが、言うことにはスジが通っている。
ストーリーは、カウカウ・ファイナンスの新入社員、大久保千秋(片瀬那奈)の目線で語られる。
お客は、よその金融機関で借りられなくなった人々で、ジャンプ(返済の先延ばし)したあげく、風俗に流れたり、道行く人に「千円貸してください!」と土下座してカネを集めたりする。
新入社員の千秋は、原作に登場しないこのドラマだけの存在だが、彼女がいることで場がやわらぐ。
「健康だけは気をつけて。そして、自分を見失わないで。私は昔、見失ったから」
彼女は元AV女優で、それなりに苦労してきているので、なんとかして借金まみれの客を救いたいと思っているのだ。
しかし、そんな優しさが通用しないスゴい客が、千秋の前に次々とあらわれる。
闇金は必要悪?
闇金で追い込まれる確率は高いが、借りる人間がいる限り、闇金はなくならないだろう。
また、闇金に来る客は借金で首がまわらなくなった人々なので、強行な取立てをしないと闇金業者が倒産することになる。丑嶋もまた、カウカウ・ファイナンス経営の資金調達のために借金をしていた。
丑嶋は風俗で働くことになったOLに、「風俗をナメるな。楽して稼げるなんて思うなよ。カネ稼ぐのに楽な方法なんてねーんだ」と言う。
借りる側の人間の甘さがリアルに描かれており、借金の怖さがよくわかるドラマだ。
ドラマには、闇金を踏み倒す
“闇金刈り”も登場する。
『闇金ウシジマくん』というタイトルからコメディ路線を想像していたが、衝撃の問題作である。
闇金ウシジマくん
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