
日本テレビの
『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』は、爆笑問題の太田総理の元に、政治家・俳優・タレントらの有名人が
“議員”として集まり、「小さな国会」が開かれるという政治トーク・バラエティーである。
日本が抱える社会問題を解決するために、ゲスト議員が掲げたマニフェストに対し、議員らが賛成派・反対派に分かれ、トークバトルを繰り広げてきた。
そんな番組が
“支持率”の低下にあえぎ、この9月で、2006年4月のスタートから4年半での
“総理退陣”となった。
正義の戦争はあるか?
最後の討論テーマは、
「正義の戦争はあるか?」で、太田総理と天敵の石破元防衛大臣は、二手に分かれて議論をかわした。
「戦争を無くしたい」という思いは全員一致しているが、自衛か攻撃か、
“必要悪”かどうかという点で意見は分かれた。
例としてあげられたのは、2003年に起こったイラク戦争。ブッシュ大統領は国連決議のないまま、大量破壊兵器を保有しているという大義名分でイラクを攻撃した。
石破氏は「核兵器を落とされても抵抗しないのか?」、戦争をしないために軍隊があると持論を展開。
一方、タレントのテリー伊藤氏は「イラク戦争はブッシュの暴走だった」と、アメリカを非難。
民主党の猪口議員は、「外交で、なぜはばむことができなかったのか?」と政治のあり方について語った。
また、お笑い芸人のふかわりょう氏は、「テロリストは自分達を
“悪”だと思っているのか?!」とつっこんだ。
私もイラクのテロリストが旅客機を乗っ取り、世界貿易センタービルに激突した
「9.11同時多発テロ」の衝撃を、今でもハッキリと覚えている。
自爆の道を選んだテロリスト達にも、
“正義”という大義名分があるのかもしれない。
しかし、テロが発端だとしても、一般市民が巻き添えをくう戦争。殺人事件を懲役264年などという重刑にするが、その比ではなく大勢の人が死ぬ。
自衛とか
“必要悪”とか言ってるうちは、戦争は無くならないように思う。
最後のメッセージ
太田総理の最後のメッセージは、政治家に直接疑問をぶつけることができ、たいへん有意義な時間を持てたことに感謝していることと、自分が将来出馬するときにはよろしく…という話だった(笑)
ゲストに政治家を招き、日本が抱える社会問題を熱く議論し、渦中の人物が証人喚問されるなど、この番組はニュース以上であり、バラエティーの域を超えていた。
番組に挙がったマニフェストは177、過去に放送されたマニフェストが走馬灯のように流された。番組で議論されたマニフェストの中から、現実化した提案も少なくない。
太田総理は一時期は、
「総理大臣になってほしい人」のアンケートで上位に入っていた。それほど太田光という芸人の政治的なセンスの光る番組であった。
今後『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』は、特番として登場するそうである。
『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』公式サイト
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