
日本テレビの
『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』は、爆笑問題の太田総理の元に、政治家・俳優・タレントらの有名人が
“議員”として集まり、「小さな国会」が開かれるという政治トーク・バラエティーである。
日本が抱える社会問題を解決するために、ゲスト議員が掲げたマニフェストに対し、議員らが賛成派・反対派に分かれ、トークバトルを繰り広げる。
トークバトル終了後に、議員らによって採決が行われ、賛成が過半数に達した場合は
“可決”され、半数以下の場合は
“否決”となる。
もしも、都道府県がなくなったら?!
6代目円楽を襲名した、「笑点」メンバーの元楽太郎氏が提案したマニフェストは、
「都道府県をなくします」。
結果から先に書くと、審議結果は、賛成10名・反対8名で
“可決”。
一般視聴者の投票結果は、賛成48%・反対52%とほぼ同数。私は「賛成!」である。
円楽氏の主張は、現在の「国・県・市」という3層構造を、「国・市」の2層構造にしたいというもので、メリットには、県と市で行っている事業を統括すればムダが省ける、公務員の数が減り、浮いた税金が有効に使える、などがある。
データとしてあげられていたのは、「都道府県の歳入48兆円、職員の数25万人、人件費11兆円」。これらを、財源が足りないとされる「子ども手当て」などにまわせばいいように感じたので、賛成である。
その他の賛成意見としては、「区役所や市役所には行くが、都庁や県庁には行ったことがない」、「県と市で同じような施設がある」、「都道府県をなくせば、地域に密着した行政ができる」。
反対意見には、「市町村のサービス格差が広がる」、「都道府県がなくなったら、国の権力が増す」などがあげられていた。
また、千葉県の森田知事は、「反対」。理由は、「アクアラインに支障が出る」から。たしかに都道府県がなくなれば、こういった現実的な問題は山ほど出てくるように思う。
宮崎県の東国原知事は、「賛成」。理由は、「地域の実情に応じたサービスを行うことができる」から。東国原知事は、以前から「道州制」を提案していた。
太田総理は、地理が苦手だから、「都道府県を覚えるだけでもたいへんなのに、市全部は覚えられない…」とぼやいていた。
民主党の「300基礎自治体構想」
番組の中で出ていた
「300基礎自治体構想」は、全国を人口30万人程度の規模の基礎自治体にして、政令都市程度の権限を与えるというものらしい。
民主党は、すでに同様の発想を持っていた。現在の政治の構造にムダが多いというのは、誰もが感じていることだろう。
それにしても、『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』は、たいへん密度の濃い番組である。
放送開始の2006年4月から丸4年たつが、番組の趣旨がブレずに、あいかわらず熱い議論がかわされている。
極端なマニフェストも多いが、世の中をよくしようという革新的なものが底にあるように思うので、こういった番組の視聴者から、進歩的な政治家の出ることを期待したい。
『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』公式サイト
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