食料危機が日本を襲う！ドラマ「飢餓列島」

WOWOWの連続ドラマ『パンドラII 飢餓列島』は、異常気象による作物の不作で、穀物の備蓄量が激減。海外からの輸入もストップするという、食料危機にある日本の姿が描かれている。

物語は、農学者の鈴木博士（佐藤浩市）が、飢餓に苦しむ人々を救うために、「GOD CORN（ゴッドコーン）」というとうもろこしの開発に成功したところから始まる。

遺伝子組み換え技術により生まれたゴッドコーンは、普通のとうもろこしの4倍の早さで収穫でき、将来的には、米や麦にも応用が可能だという。

このゴッドコーンを巡り、鈴木博士は、巨大な陰謀と欲望の渦に巻き込まれてゆく。

最初に、ゴッドコーンに目をつけたのはキラーズ社の社長、吉良（勝村政信）である。

鈴木博士の助手の大倉（北村有起哉）が、博士に無断で吉良に援助を持ちかけたのだ。これが、博士の怒りをかい、大倉は階段から突き飛ばされ、重症を負う。

吉良社長は、謎の男に大倉の始末を依頼する。また、鈴木博士には、真相を公表すればゴッドコーンは世に出ないとクギを刺す。

深刻な食料不足に陥り、暴動や略奪が起こりかねない飢餓列島を危惧する、日本初の女性総理（余貴美子）。

官房長官（宅麻伸）は、ゴッドコーンを国の専売事業として扱い、国立の遺伝子組み換え専門の研究センターを立ち上げる際には、鈴木博士にセンターの責任者として就任してほしいと協力を仰ぐ。

しかし、官房長官の「これからは、食を制する者が世界を制する」という言葉に、鈴木博士は、「自分は愛国者ではないので、ゴッドコーンを政治の道具にするというなら、別のところに持ち込む」と反発する。

とにかく鈴木博士は、金のからむ話には拒絶反応を示す人だ。

河川敷で男性の焼死体が発見され、八木沢刑事（鈴木京香）は、現場に落ちていた1本の万年筆から犯人をたどる。

一方、鈴木博士は別れた妻に連絡をとるが、この妻のいる病院に通う患者が八木沢刑事だったことから、捜査がつながってゆく。

八木沢刑事は、大倉が鈴木博士の助手だったことを突き止め、博士はアリバイを追求されるが、記憶障害があるせいで思い出せない。

前作の『パンドラ』はガンの特効薬の話だったが、今度は遺伝子組み換えとうもろこし。偉大な発明は、「パンドラの箱」を開けることと同じで、人類に希望を与えるが、大きな災いも呼び込む。

『パンドラII 飢餓列島』で浮かび上がってくるのは、食糧危機で儲ける人々の姿である。人々を飢えから救うはずのゴッドコーンが、格差を拡大させる。

「パンドラの箱」というギリシャ神話をご存知だろうか？

パンドラという女性が、ゼウス神からもらった「開けてはならない“箱”」を開けてしまい、中から厄災が飛び出すという話だ。パンドラはあわてて箱をしめるが、中に残ったのは“希望”、または“絶望”とも言われている。

前作の『パンドラ』では、箱に残ったのは“愛”だったが、『パンドラII 飢餓列島』で最後に残るのは何なのだろう？！



『パンドラII 飢餓列島』公式サイト