夜間の防犯灯でウミガメが迷走
2009年、全日本アマチュアサーフィン大会期間中にアカウミガメの卵がふ化したことで話題となった国府海岸(志摩市阿児町国府)。今年も6月8日、親ガメ約13体が今年も産卵のために訪れ8月23日にふ化し、足跡から推測したところ約65匹が海に帰った。
ところが8月31日早朝、6月20日産卵の子ガメの足跡に異変が発見された。本来まっすぐ海に向かうはずの子ガメの足跡が、
海に向かわず陸の方にグルグルと円を描き迷走するかたちになっていたのだ。中には立ち止まっているような足跡も残されていた。
ウミガメは卵からふ化してもすぐには行動を起こさない。天敵である海鳥が寝静まる夜、潮位や湿度、温度などがベストなタイミングになるまで砂の中で待つのだ。そしてすべての条件がそろったところで砂の中からあらわれ、集団でまっすぐ海に向かう。
ウミガメの保護活動を10年以上続けている浜村さんは、迷走する足跡に関して「
ウミガメは光に誘われて向かう習性があるので、深夜の水銀灯の光が原因で迷ってしまったのでは」と推察した。迷走する足跡の近くには防犯用の水銀灯があり、夜間点灯するようにセットされていた。
このことを知った国府自治会長・橋爪富春さんは
ウミガメのふ化まで水銀灯を消灯することを即断。志摩市防災課の協力もあり、その日のうちに夜間に点灯しないよう措置がとられた。志摩半島野生動物研究会・会長の若林郁夫さんは「
今回の自治会、行政の対応の早さは素晴らしく、感謝したい」と話している。
伊勢志摩国立公園 志摩市
[PR]